たぐけんの投資と馬日記

株式投資と馬について思ったことを書いていきます

WDBココをPF1位まで買い増しした理由

2022年12月に入って、黒田ショックがあり、その際にPFを大きく入れ替えました。

大きく買い増ししたWDBココについて自分が買っている理由を示しておこうと思います。

 

 

【何をしている会社か?】

製薬企業の医療用医薬品で発生する副作用情報の収集・管理をアウトソーシングしている会社

製薬会社は薬を発売したら、定期的にその薬を投与されて発現した副作用を当局(医薬品医療機器総合機構、略して機構)へ報告しなければなりません。その際集めた副作用を集計してまとめるお手伝いをしているのがWDBココになると思われます。

業務を丸ごとアウトソーシングするか、何名かを製薬企業へ派遣し副作用集計を手伝っています。



他社が行なっているCRO事業とはほとんどが「発売前の治験を受託し手伝うもの」になります。「今までにない新薬を患者さんの元に届ける」ための仕事はやりがいもあり、年収も高いため人気の職種となります。

一方WDBココが主力としている副作用情報収集・管理は既存の薬の副作用情報なので「大して面白くないし、やり甲斐もあまりない、だけど義務として発生するので誰かがやらないといけない」業務になります。

 

【市場規模はどのくらいか?】

社内ではファーマコヴィジランス部と呼ばれ、安全性情報の収集・管理、各国当局への申請を行なっています。

日本CRO協会の資料では2021年でPV関連売上が270億あります。これは協会の会員企業のみの集計値でWDBココは非会員になります。



私の勤めている会社でも2200名規模の製薬会社でPV部が63名、全体の3%近くがPV部となります。ちなみに営業部隊であるMR数は600名程です。

従いまして、PV業界の売上規模は製薬会社の中に隠れてよく見えない。というのが正直なところで、CRO協会の資料の10倍以上は確実にあると思われます。

 

【競合は?】

シミック、EPS、リニカル等他のCRO企業も副作用情報管理を社内で何割かは受託しています。ただ、あくまでも治験委託が主力のため、従業員の年収が高くなり、WDBココの様に低単価での受託ができないのでは、と想像しています。

副作用情報管理に特化している会社はWDBココ以外に見つけられませんでした。

 

【強みは?】

ズバリ副作用情報管理に特化しているところでしょう。

他社はCRO治験の片手間で行うため、人員単価が高くなり、単価低い人員雇えているWDBココにコンペで負けてしまいます。

副作用情報収集と管理は絶対に必要だが「つまらない」業務である点が重要なところかとおもいます。

 

【参入障壁は?】

特に規制がある業界ではありませんので、他社の参入は容易で障壁は高くありません。

取引を重ね、実績を積み重ねることで信頼を勝ち取り切替されにくくはなるかもしれません。

 

【既存顧客との取引継続性は?】

上場前から下記4社の売上が多くなっており、継続性も高いものと推測されます。

特に中外向けがダントツで多く、2021年の特需も中外のコロナ患者へのロナプリーブの副作用調査ではないかと想像しています。

中外

ラク

リリー

アッヴィ

 

【説明資料記載の大型案件について】

3Qより稼働、毎月売上計上する契約形態、これに向けてしっかり人員は確保できている。

【人員について】

2022.10 520名 エンジャパンより さらに12月10名募集。臨時雇用者が期初に91名いる。期初494から520だと26しか増えてない事になる。さすがに説明資料の記載からそれは無いか?例年と同数の臨時50で現在正社員470名くらい、期末には500名が妥当なところか。それでも人員25%UP

2022.3  403名

2021.8 432名 マイナビより臨時雇用者数91含めた数字だと合致

2021.3. 342名

2020.3. 277名

2019.3. 242名

2018.3. 202名

 

【買い増しした理由】

大型案件が3Qより稼働(なのに2Qでも特需のあった前年超えの好業績)

そこへ向けて人員の確保が想定通りできている、しかも人員数UP率を見ても大型案件の規模の大きさがわかる。

ひょっとすると他の海外メガファーマからの受託である可能性もある。有報出るまで確認できないかもしれませんが。

 

2022年MR削減を実施したファイザー、ノバルティス、J&J(ヤンセン)はPV業務も外注開始している可能性あると思われます。